2007年12月27日

地主稲荷と八幡様

高崎市八幡町の八幡宮は名高い社で、今でもお参りする人が多い。
 むかし、八幡様がこちらにこられたとき、社を建てる地所がなかったと。
 気に入った場所には、すでに稲荷様がまつられていたので、八幡様は稲荷様にお願いした。
「少しばかり、地所を貸してください。」
 すると、稲荷様は横を向いてそっけなくいったと。
「地所は貸すわけにはいきません。」
「わたしはこの場所が気に入ったのです。そうたくさんとはいいません。わら一束置けるだけでけっこうですから、貸してください。」
 八幡様があまり熱心に頼むので、とうとう、稲荷様もいったと。
「そのくらいならいいでしょう。」
 すると、八幡様は一束のわらを持ってきて、一本一本並べて置いた。
「これだけの土地を借りたい」
 それはかなり広い場所だったと。
 稲荷様は約束してしまったので、いまさら、「だめ」というわけにもいかない。
しぶしぶ貸すことにしたと。
 だから、八幡様にお参りする人は、地主神の稲荷様を先ず拝んでから、八幡様を拝まなくてはいけないんだとさ。


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Posted by はなもぐ  at 20:20 │Comments(0)むかしばなし

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